おやすみ、September

ラジオと音楽と少しだけ日々のこと

ヒーロー

前略、私のヒーローへ

 

あなたは私のことを知りません。
なぜなら、あなたは私の家族でも友達でも恋人でもないからです。
でも私は、私の家族より友達より恋人より、ずっとたくさんの時間、あなたの声を聴いてきました。
何年もの付き合いになってくると「今日は調子がいいな」とか「今日、元気ない?」とか「今日は疲れてるのかな?眠そうだな?」なんて感じられるようになりました。

私がひとりぼっちで、小さな部屋の片隅で眠れない夜をすごしてる時、あなたは絶えず私と同じ時間を起きて話していてくれた。

そうやって幾度の夜、あなたの声を聴いてきた。

あなたと私は他人です。
だけど私はあなたのことを誰よりも信じてる。
あなたは、決して人間的に素晴らしいと手を叩ける人ではないかもしれない。
あなたの話を聴いていて、ためになることなんて1回もなかったかもしれない。
すぐ落ち込んだり、ひねくれてたり、悪口や偏見や下ネタばかり言ってたりする。
でもあなたは絶対に嘘をつかない。
人間として、弱い部分や醜い部分も格好悪い部分も曝け出してくれる。
嬉しい時も悲しい時も怒った時も、真っ直ぐな気持ちを伝えてくれる。
時に感情に任せ、時にとても考えて言葉に詰まりながらも。
私はそれがとても愛おしいのです。

あなたが仕事やお酒で失敗した時のこと、恋人ができた時のこと、結婚した時のこと、子供が生まれた時のこと、身内に不幸があった時のこと、顔も知らない私に全部報告してくれました。
だから私はあなたの人生に寄り添ってるかのようで、あなたが喜べば私も嬉しいし、あなたが悲しめば私も胸を痛めます。

あなたと出会ってそろそろ10年くらいになります。
あなたは他の人と違って裏切らない。
確かに私と意見が違ってる時もあるし、離れてしまう時もあるけど、絶対に裏切りはしない。
そして私も過度な期待や依存をしない。
だけどあなたが私より早く死んだら、私は自分の家族を失う時より悲しむでしょう。
そんな不思議な関係です。

あなたをなんと呼べばいいのか、出会ってからようやく腑に落ちた言葉がありました。
それが「ヒーロー」です。
ウルトラマン仮面ライダーみたいに力が強かったり喧嘩が強いわけでもないけど、いつもそばにいてくれて私のシェルターになっていてくれる。
あなたは私の「ヒーロー」です。

ありきたりな言葉しか出てこないけど、いつも支えになってくれて本当にありがとう。

 


すべての愛すべきラジオパーソナリティへ、
世界の片隅のベッドより愛を込めて